「インドネシア・スンダ世界に暮らす」感想1

村井吉敬著、岩波書店「インドネシア・スンダ世界に暮らす」を読みました。
インドネシアは様々な民族からなり、スンダというのはジャワ島の民族の一つで規模としては大きな民族になります。

この本は著者が1975年から2年間インドネシアで過ごした滞在記になります。
今とは違う昔のインドネシアの姿がひしひしと伝わってくる本でした。

ジャワ島バンドゥン近郊の「火の山タンクバンプラフ」も登場する。
(写真は実際のタンクバンプラフ)
nasigoreng.blog484

著者がインドネシアのスンダ世界に、観光ではなく実際に住んで暮らした記録

インドネシアについて記した本や滞在記は数多くあります。
大方20年くらい前のインドネシアについての本も多数あり、それらの中でも昔のインドネシアについて触れられています。
しかし、本書の内容は40年前のインドネシアの日常です。
そこに記されているのは、20年前とは確かに異なる「昔」のインドネシアの日常です。
その日常はいわば戦後の日本のような印象を受けます。
インドネシアでは現在でも貧困や貧富の差は残っています。
20年前も貧困の時代でしたが、本書で記されている40年前のインドネシアはそれを遥かに凌ぐ貧困の日常です。

40年前のインドネシアの日常から、私が特に印象に残った点

P72には「イライラで血が逆上」という内容があります。
そこには著者が滞在許可をもらうために、何度も必要な書類を取りに行ったり、数時間あるいは数日理不尽に待たされたり、という出来事が記されています。
しかし、一方で「これがインドネシア」と話す現地インドネシア人も出てきます。

P164には「サンクリアン伝説」という、タンクバンプラフやバンドゥン山地が出来る伝承文学が記されています。
インドネシアには様々な民話、神話がありますので、それらに興味を持ってみるのも面白いです。

P245辺りから独立戦争に参加した元日本兵についての記述や、その後に独立に至る経緯などが続きます。
これらはつい先日私自身が「オラン・ジュパン~ジャワ、スマトラ 残留日本人を訪ねて~」という本を読んだばかりでしたので、比較して読み進めました。
内容としては、オランジュパンより本書の方が凄惨な現実が描かれています。
オランジュパンについては、当ブログ記事「インドネシアジャワ島最後の残留日本兵がテレビで放送」で触れています。
両方の本を読むと、インドネシア独立に果たした元日本兵の役割がより深く理解できると思います。

本書についての感想は次回に続きます。

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