前回の記事「カンポンの世界 ジャワの庶民住居誌を読む」の続きです。
日本人の感覚からするとインドネシアの住居は大家族で住むには非常に小さく、どうやって住んでいるんだろうか?と思うレベルの住居が沢山あります。
同書ではインドネシアの住居についても触れられています。
「家の中を見せてほしい」と言えば、結構快く応じてくれるものです。
(ナシゴレンを作るところ等を見せてもらっても良い)
インドネシアの住居の種類は多様ですが、本書によれば最小限住居は4畳半と書かれています。
そういった住居では住居の外で炊事や水浴びなどが行われる事があります。
言ってみれば、外も住居の一部となっているわけです。
最小単位を基本に増築などがされることもあり、そういった住居の形態や変遷についても述べられています。
P185より引用すると
4畳半の家で一家5人がどうやってくらすのか、何も調査しなくても少し考えてみればわかるはずだ。別に空間をサポートするシステムがなければ生活がなりたつはずがないのである。
最後に私が同書で、印象に残った部分を引用します。(P210より引用)
「広い幹線道路を歩いていては暗い影の世界には気づかない。狭いカンポンの道を歩くときにはじめてわかる。~中略~ヨーロッパ人がインディーズを知らないのはorang kucil(小さな人)の住んでいる場所を訪れようとしないからである。」
実際に訪れてみないと分からない世界があり、そこを訪れてみるのは良い経験になります。
しかし、現実的には訪れるのが困難な場合もありますね。
そういった場合にこそ本書などでカンポンの世界に触れてみるのが良いでしょう。