「カンポンの世界 ジャワの庶民住居誌」を読む

更新を再開します。

表題の「布野修司著、カンポンの世界 ジャワの庶民住居誌、PARCO出版」を読みました。
インドネシア語で「カンポンkampung」=「村」を表します。

こんな風景もいわゆるインドネシアのカンポンの一つ
看板のHATI2 BANYAK ANAK-ANAKは「子どもが多いので気をつけて」の意味
nasigoreng.blog340

本書より私が興味深かった点を挙げていきましょう。カンポンにはありとあらゆる細分化された仕事(物売り)が存在します。
物売りの存在により、カンポンは共同体として絶妙なバランスが保たれていました。
P72より引用します。

物売り、屋台によるサービスのシステムが成立したのは、いうまでもなく雇用機会が極めて少ないからである。しかし、角度を変えて居住地におけるサービスの体系のあり方としてみるとカンポンのそれは極めて興味深い。
~中略~
カンポンの世界が、プリミティブなやり方であれ、高度なサービスシステムを実現していたのである。

私自身「カンポンkampung」=「村」と言った意味で捉えていましたが、カンポンは概念をしっかりと理解する必要があり、一概に「村」という言葉では言い表わせません。
(村はデサdesaの方が適切な場合もあるようです。)

同書は著者の豊富な実施調査とスケッチによる記録により、インドネシアに特有のカンプンの概念をしっかりと理解できる一冊です。(カンポンの概念は一言ではとても言い表せず、不思議の国インドネシアの奥深さが感じられます。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.