文芸春秋、橋口譲二著「ひとりの記憶~海の向こうの戦争と、行き抜いた人たち」を読みました。
本書では戦争を経験し、その後も現地に残った10人ほどの方のお話が載っています。
その中で、最初のお二人の方がインドネシア残留日本兵になります。
一人一人の体験談からインドネシア独立戦争や、インドネシアの様々な側面が見えてくる。
私はインドネシア料理本の他、インドネシア自体に関する本も度々読んでいます。
その中で、インドネシア独立戦争やインドネシア残留日本兵について扱った本を読む事もあります。
特にインドネシア残留日本兵については、テレビなどでも度々扱われており、私自身もそれらと合わせる事で、インドネシア独立戦争の様々な側面を知ることが出来ました。
インドネシア残留日本兵に関する本は今から20年程に出版された本がいくつかありました。
今回の「ひとりの記憶」は2016年に出版された本です。
しかし、聞き取りや本の内容自体は20年ほど前のものになります。
(出版までに約20年かかった経緯については、あとがきに記されています)
「ひとりの記憶」感想とまとめ
・Kさん、北スマトラメダンにいたが、後にジャワ島スカブミに在住。
・インドネシアの医療者として働き、天然痘の撲滅のために痘苗(ワクチン)を持ち村を歩いて回ったという。(痘苗は常温では2日間しかもたない)
・メダンの商売はほとんどが華人だった。
・旧日本軍が現地の人に行った行為は、酷い面と良い面があった。絶望的な状況下で酷いことを行った人物もいれば、人として素晴らしい行動を起こした人もいた。
・インドネシアの薬草ジャムゥのブームは日本占領時代から始まった。
・Iさん、チレボン近郊のチリドック村在住
・戦争が終わり50年たったが、軍隊時の6時に起きる習慣は変わらなかった。
よくテレビなどで「波乱万丈な人生」というものが放送されるが、正にそのもの。
この方の内容についてはとてもここでは記せませんので、本書を参照してください。