先日のNHKBSのニュースで、インドネシアにおいて異なる宗教間における不寛容が広がっているという報道がされていました。
2017年1月5日、多数の宗教代表者による会議が行われたそうです。
ジャカルタのバスキ知事が宗教冒涜で起訴された
キリスト教徒であるジャカルタのバスク州知事はイスラム教を侮辱したとの容疑で起訴されています。(現時点では判決は出ていません)
ジャカルタの州知事は、日本で言う都知事にあたり、発言の影響力も大変強いです。
そのためバスキ知事の発言に対し、インドネシアでは大規模なデモや一部の暴徒化が起きたそうです。
イスラム教徒が大半のインドネシアですが、キリスト教など他の宗教も認められており、異なる宗教間での寛容さがありました。
そのため、クリスマスの時期ではショッピングモールの店員もサンタの帽子をかぶる姿などが見られていました。(日本でも観られる光景)
一部の過激派が声を上げているといった側面もあるものの、宗教間の対立は増してきており、昨年はサンタ帽をかぶる店員の姿はあまり見られなくなってしまったそうです。
他に、ジャカルタ近郊の町バンドゥンではキリスト教徒の礼拝にイスラム過激派が押し入ったという事件も起きました。(この礼拝は今までも行われてきたものであり、かつ市などの許可も得た正式な物です。)
宗教間の対立で分断が進めば国家が成り立たなくなる恐れもあると言われます。
また同時に、経済成長が活発なインドネシアにおいて、投資が冷え込むというリスクにもつながります。
写真は、インドネシアスラウェシ島タナトラジャより
トラジャでは、葬式の際に牛を生贄にするという独特の文化が残っています。
この地域の宗教はキリスト教が主であるものの、純粋なキリスト教とは一味違い独自の文化と混ざり合ったキリスト教が見られます。
例えば、十字架に牛のモチーフが付いた教会など、キリスト教と独自文化が融合した独特の光景があり、何の変哲もなく町中に存在しています。
私も今までインドネシアを訪れる中で、宗教間の寛容さを良い意味で実感する機会が多くありました。
良い意味での寛容さが戻る事を願うばかりです。