クラカタウ火山について記事にしてきました。
参考リンク「惑星 地球の仕組み「クラカタウ大噴火」感想1」、
「クラカタウ大噴火」感想2、硫黄の採掘場としてのイジェン火山
今回はクラカタウ火山噴火時の火砕流がもたらした影響についてです。
写真はスラウェシ島リアンリアン先史公園、付近では各地に岩が見られる
ジャワ島西部の町アニャには、クラカタウ噴火時の火砕流の痕跡が今も残る
番組では「資料を読めばわかる事でも現地に足を運ぶ」というスタンスが取られていました。
実際にクラカタウ付近まで行くのは(ツアーはありますが)個人ではリスクが高いので、映像を通してクラカタウ付近の様子が見られるのは嬉しいですね。
バラバラな石のサイズからなる堆積層があり、その原因は火砕流の勢いが凄まじく大小の石がかき混ぜられたためです。
1883年のクラカタウ火山噴火時の火砕流は下記のようだったと考えられています。
・厚さ10m以上、時速300km以上。
・850mある山も飲み込んで超えていった。
・ジェットスキーのように海面を滑るようにスマトラ島へと進んでいった。
・スマトラ島では2000人以上が命を落とした。
・3つの峰があったクラカタウは崩壊し、マグマだまりが海に落ちて巨大なカルデラが出来た。
そのカルデラは今も海の底にあり、直径8km、深さは800mです。
さらに、535年の大噴火時は1883年の噴火の10倍程の規模だったと考えられています。
アニャの街に残るサンゴや岩の跡
ジャワ島西部の町アニャには、今も1883年の噴火時の痕跡が残っています。
海岸には火砕流ではがされた大きな岩やサンゴの固まりが点々と残っています。
一番特徴的なのは陸地に残る大きな一つの岩の固まりで、その重さは125tになります。
当時のアニャの灯台も流され、町の犠牲者は3万5千人に及んだそうです。
インドネシアの火山トレッキング時は小噴火に合う事もあります。
(日本の例では、桜島を想像すれば分かりやすいです。)
新しい火山アナッククラカタウは、今もマグマを溜め続けています。
世界で最も成長の早い火山であり、毎年9mずつ高くなっていっています。
山頂では今も噴煙が昇っており、小規模な噴火も頻繁に起きます。
噴火時は溶岩の固まりである火山弾が飛んできます。
火山弾から溶岩の組成を分析することは将来の大噴火の予測につながるものの、火山弾で亡くなった研究者もいます。
噴火前には揺れが起きるため噴火を予測できますが、揺れから噴火までは数秒の猶予しかありません。
肝心な点は、次にクラカタウが大噴火をした際の影響やその対策ですね。
しかし、番組では残念ながら対策法は紹介されませんでした。
「クラカタウはいつか必ず噴火する、その時人類はどうなるのか?」といった終わり方でした。